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[OB便] 2018.02.13 赤木沢遡行  13期中谷吉伸
         赤木沢遡行

 山行後だいぶ時間が経ち賞味期限切れになりかかっていますが、年甲斐もなくまだこんなことをやっているOBもいるということで投稿します。よろしくお願いします。

1.概要

○期日:
 2017年9月1日(金)~3日(日)
○参加者:
 中谷(13期)記録、堀部(57期)、宮森(57期)
○参考図:
 右の地理院地図は管理者追加
2.説明
赤木沢に行ってきた。知っている人もいるだろうが、赤木沢は太郎兵衛平から黒部五郎岳への縦走路途中の赤木岳を水源とする黒部川の支流である。 以前にも行ったことはあったが、久しぶりに再訪したいと思った。
しかし古希を間近にして一人で出かけるのは躊躇され、また単独行では嫁さんの許しも得られそうになかった。そこで最近縁あって何度か一緒に山へ出かけている57期の人に声をかけた結果、堀部、宮森両氏と3人で出かけることになった。
初日は車で北陸道を走り、有峰林道を経て折立まで。駐車場横のキャンプ場にテントを張った。このキャンプ場は快適でしかも使用料は無料。もっとも林道の通行料が1900円なのでその中に含まれていると考えるべきか。
翌日は太郎兵衛平を経て薬師沢小屋までで比較的余裕のある行程。というわけで、途中から天気も良くなってきたこともあり若い二人は登ったことがない薬師岳を往復することになった。当方は太郎兵衛平でビールを飲みながら帰って来るのを待つことにした。そんなわけで薬師沢の小屋には午後4時過ぎに到着。土曜日だったが9月初旬ということもあってか小屋は空いていた。
3日目は黒部源流部を歩き、赤木沢を遡行して縦走路に出てから太郎兵衛平まで戻りそこから折立まで下る長丁場である。天気を心配していたが晴れて沢歩きには問題なし。しかし早朝の黒部川には日が差さずしかも気温も10℃ほどで流れに足を浸けるのが躊躇された。この日に赤木沢を目指したのは我々以外に1,2パーティあったようで途中までは後ろを歩いているのが見えていた。
最初の内はできるだけ濡れないように歩いたがいつまでも濡れずに行くことは無理で結局流れの中を歩くことになった。しかし一旦濡れるとあとは慣れて気にならなくなった。
ブログなどには、今回の沢歩きのルートで困難なのは赤木沢よりもそこに至るまでの黒部川本流の方であると書いてあったがその通りだったと思う。本流部は流れも速くシビアなへつり個所もある。赤木沢ではなかった深く流れの急な渡渉も何度かあった。しかし以前の時には無かったと思うが(気が付かなかったか)、そんなところにはほとんどに高巻道ができていたようだが我々は何とか沢沿いに行くことができた。

<赤木沢出合>
部川でも美しいところの一つと言われる赤木沢出合に着いた時に初めて陽が差してきて寒さも和らいだ。ここにも高巻道はあるが、ここはぜひ瀞の縁を膝上ぐらいまで浸かって沢の中を歩き岩場をへつって行きたいところである。
狭い赤木沢の落ち口を過ぎると赤い岩盤の滑滝が現れ、そこからは素晴らしい沢沿いの遊歩道である。一般に沢登りというと暗く険しいイメージがあるが、赤木沢に関していえば明るく開けた沢の中を気持ちよく歩くことができる。今回は寒くてやらなかったが、暑い時期なら場所によっては滝つぼを泳いで取付き登ることのできる滝もあるし、シャワークライムが可能な滝もある。

         
         <F3の滝>           <赤木大滝>
結構立派な滝もいくつかあるが、基本赤木沢はロープがなしでも沢の中を遡行ができ、また滝の直登が可能である。
その中で2か所だけ、F3の4段の滝とF7の2段30mの赤木沢大滝は高巻のルートが一般的である。F3はロープを使えば直登はそれほど困難ではなさそうだが、F7は完全なロッククライミングの世界で、ここはすぐ横の岩稜の中を半分木登り状態で登ることになる。赤木沢大滝では陽も高く昇り暖かくなっていたので、若い二人は滝つぼに腰まで浸かって楽しんでいた。
赤木沢大滝を登ると流れも細くなり、後方には黒岳が大きくそびえている。ここから稜線への取り付きのルートはいくつもあるようだが我々は左岸から入っている最初の沢を登ることにした。沢も少し傾斜が急になり赤木沢本流ほどにはルンルンというわけにはいかないがそれでも特に問題になるところもない。
木が沢の上にかぶさって通りにくくなったところで沢を離れて左岸に上がって登山靴に履き替えた。歩き始めて早々にハイマツのブッシュに突っ込んでしまい若干苦労するが何とか突破し後は赤木平からの尾根に取付きハイマツの切れ目をぬって稜線にたどり着くことができた。
帰ってからいろんなブログを読むと、流れが無くなるまで沢を詰めるのが正解だったようである。また前回の時は二本目の沢だったと思うがこの時もハイマツで苦労したという記憶がないのでこの沢を詰めても良かったかもしれない。

ここで今日は楽しかったで終わりたいところだが、この日は折立まで戻りさらに家まで帰る予定になっていたのでこの後が厳しかった。
太郎平小屋に着いた時には正直ここに泊まりたいと思ったがそういう訳にもいかず折立へ向かう。この頃になると登って来る登山者もほとんどおらず、なんとか陽の沈むまでに折立にたどり着いたが、久しぶりの11時間強の行程だった。荷物を車に放り込み途中亀谷温泉で汗を流した。
今回は、後は車に乗って楽しかった山行を振り返りながら帰ればおしまい‥、というわけにはいかなかった。
普通に走っていては両君が大阪から石橋までの最終電車に間に合わないことが分かり、調べてみると琵琶湖線の石山駅発23時14分の電車に乗らなければならないことが分かり、ここから堀部、宮森両氏が運転で活躍。晩飯は走りながら車の中で食べ、休憩なしで若干(?)の制限速度オーバー気味で走り通しで何とか15分前には到着。当方は家に帰りビールを飲んで12時には寝てしまったが、多分両君の帰宅時間は午前1時をまわっていたのではないだろうか。ご苦労様でした。